ひでやのぶろぐ

英屋へようこそ!

いわゆる三十路もの。

 

 ・・・二十代では味わえなかった人生の旨みを知る年頃になれたということでしょうか。

 映画批評家がラジオ番組でオヌヌメしているのを聴いてから気になっていたアメリカドラマをただいまアマゾンプライムで鑑賞中。

24とヒーローズで死ぬほどしんどい目にあったトラウマから、海外ドラマ離れも甚だしかったけれど、久しぶりに気が向いてちょろちょろ観るように。

こちらはヒューマンドラマものだから、ジャックのクソキム(バカ娘)みたいなトラブルメーカが無駄に居る心配がなくて、ほっとして観られます。

「36歳」という年齢を生きる登場人物たちの人生。

現在36歳の双子主人公と、その親が「36歳だったとき」が物語のなかで交差する。

過去と現在が交差してゆくなかで、みんな同じ苦悩を抱えて生きていたんだということがみえてくる、題名の「これはわたしたち」が意味するところを、ある意味ドラマ全体のテーマを、双子の兄ちゃんが姪っ子たち(血は繋がらないんだけど)に語る場面は素晴らしい。

父ちゃんが、子供だったときと36歳のときと、自分が36歳のいまと、ってみーんなの人生が横並びで語られる、そうして時代が変わっても変わらないものを教えてくれる、ほんとうに素晴らしいドラマです。

 

これを観てると、あの数年後に36歳を迎えることとなる身にとってしてみれば、なにが将来起こるのだろうかと、残り数年が楽しみに思えるような、不安になるような、などともやもやしていたら、偶然手に取るものがその手のものばかりということに気づく。

 

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫)
 

 確かこれも偶然にも36歳がテーマの話だった。

大学生時代に友人たちから受けたトラウマを解消していくという物語。

意味が分からないと思い込んでいたこの作家のものが今頃になってだいぶ理解ができるようになって、これ今までで一番良かったかも!と思って、これは今後も数回は確実に読み返すことになる小説だろうなと珍しく感じた一冊。

この人の書くものはある意味カウンセリングの力があるかもしれないな。

物語の解決を意味のあるものと思って読む読み方じゃ、理解はできなかったと思う。

この人は人生に起きるどうにもならないもの、いわゆる不条理とかをぽんと書いてく人だと思うので(んで結構それをそのままにして置いてく人。でもそれって私たち日常的にみんなが経験していることだから)、そしてそれが、いいなぁと思える歳に、わたしもなったということか、大人になったなぁ、と自画自賛

 

・・・恐るべし36歳。あと4年後にわたしも何かしらの帰路に立つことになるのかしらと戦々恐々と過ごしていたら、最もいま恐ろしい作品に出逢ってしまったではないか。

 

エスター (字幕版)

エスター (字幕版)

 

 ※即効でネタバレします。

 

 

 三人目の子を流産で亡くした痛みの癒えない主人公は、夫とともに訪ねた孤児院で、一目で二人が気に入った女の子「エスター」を新しい家族として迎えいれることに。

絵がうまく賢い一面もみせるエスターだが、徐々に表れる彼女の本性に主人公一家は翻弄される。

 

 

 

 

実はこどもではなく、途中で成長の止まった、33歳の女だった。ズゴー 笑

 

そんな女が起こす奇行の顛末映画、・・・って書くとコメディー映画なのにそうならないのは、エスタさんがうまいこと精神異常者だからです。

ホルモンの異常で身体の成長が小学生のままで止まってしまい、成長の過程で女として得られなかったその屈辱を晴らすに生きる姿を描いたヒューマン・・・いや、ホラー映画。

最後の方は、主人公の子役がほんとうに33歳の女にみえてたから、ほんとうに凄い・・・。物語中時折見せる顔が三十路女にしかみえないときもあるから、あれ?これ映像合成でもしてんのかなぁって思ってた(ネタバレしてみてたので)マジこんな女いるっ・・・ってぞっとした。

 

エスタさん精神異常者として化物として描いてたからいいけど、これもっともっと磨きかけたら、すっごくおもしろいキャラクターになれるに違いない!と違う方向で面白がってるのはわたしだけでしょうか?笑

 一番怖いのは女なのかも・・・。

33は一年後・・・

 

なにかほかにもオススメの三十路もの映画&ドラマがあれば教えてください 笑